福本児童舎 新館

ふくちゃんのブログ

キャスター転がるその2

旅に出て、3日目(うそ)

わたしは、「なんでも有る」と言う噂の例の店に言ってみることにした
例のT店である。

この店に入ると、
たくさん人がいるのだが、だれも見向きもしてくれない。
(-.-)「こんにちは」
いらっしゃいも無い。
相当長い間店内を物色していても、
放ったらかしなのだ。

もっとも、この店の初心者ではこうは行かない。
ちゃんとそれなりの対応をしてくれる。

(-.-)「こんなキャスターを探してるんやけど」
誰に言うともなしに、つぶやいてみた。
でも、だれも見向きもしない。
忙しそうに、書類の整理をしている。
・・だが、
少し離れた所で、かろうじて返事が有った。

「ほう、何かの部品やないかな・・それはちょっと難しいな・・」
だが、その人とて、未だ書類の整理に追われている。
いつの間に、僕の手元を確認したのだろうか。

「こっちにきてごらん。」
案内されて、行くと、
おやじは、ものすごい量の棚の間から、
少しも迷わずに一つ目の箱からねじ込み式のキャスターを取り出した。

「うむ、これだと短いよな。」
たしかに、ボルトの長さが違う。

「急ぐのかい?うちには、これしか無いな。」

(-.-)「いえ、別に急いでるわけじゃ・」

「じゃあこっちへ来て」

聞いてるのか、聞いていないのか、なんだかおやじのテンポに付いていけない。

次に、おやじが取り出したのは、小さなメモ用紙。
鉛筆で交差点を書く。

「この道を真っ直ぐ行って、3つ目の信号を右に曲がるんだ。分かるかい?」

(-.-)「・・・え、ええ。分かります」

「左に曲がって、2件目に、取引先が有る。そこに行ってごらん。」

なんだか、さらに、仕入先を教えてもらった。

「分かったかい?じゃあ、行ってごらん必ず有るから!

むむ、なんと!
職人達に”何でもある”と噂される例の店のおっさんが曰く”必ずある
と言う店とはいったい!!

次回、キャスター物語 いよいよクライマックス