金の斧、銀の斧
金の斧銀の斧って物語あるやん。
子供の頃から、なんかいろいろ違和感を感じてるんよね。
だいたいね、木こりの斧つったら、商売道具ですよ。
それを、「金の斧いかがすか~銀の斧いかがすか~」
をいっ!
そんなもんで、木が切れるのか!
いいから、さっさと俺の磨き上げた斧を返しやがれってんだ!てやんでいっ!
そしたら、3つともくれた。
重くって、もう持って帰れない!
しばくぞっ!
木こりは、金の斧と銀の斧を再び湖に沈めるのであった。
そこへ噂を聞いてやってきた、別の木こり
鉄の斧を湖に放り投げる
考えてみてくれ。女神は湖の底で暮らしている。
ちょうど、昼飯かなんか食べてたかもしれない。
ちゃぶ台に上から鋭利で重厚な鉄の塊が落ちてくる。
さすがにたまったもんじゃない。
そない、毎日上から斧が降ってきたら、いくら温厚な女神といえども腹に据えかねているはずだ。
「あなたの落としたのは、この金の斧ですか?それとも銀の斧ですか?」
「両方とも僕のんです。」
またお前かっ!
ほんまええかげんにしときや
誰が、返すかっ!このすっとこどっこい!おととい来やがれってんだ!
いや、僕の言いたいのは実はそこではない。
女神は果たして正直者を探していたのか?
正直者を探すという行為は、裏返してみれば、嘘つきを探している行為に他ならない。
どうして人間は人間を2種類に分けたがるのか?・・・あ、女神か。
僕なら、何も問わず。
ただ、落ちてきた斧を拾って返す。