福本児童舎 新館

ふくちゃんのブログ

黒ヤギさん3通目


黒ヤギさんから、お手紙着いた
白ヤギさんたら、読まずに食べた
しかたがないので、お手紙書いた
さっきのお手紙、ご用時なあに

黒ヤギさん、これを読んで
あきれて、手紙をしたためる。
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白ヤギくんは、いつもお腹を空かせてるんだな。
先の2通は何を書いたのかもう忘れたよ。
ところで、以前、こんなことが有ってね。
うちの母が、
「黒ヤギよ、お前はおかしなメスと付き合ってるんだってねえ。」
と、言い出したんだ。
それを聞いて、僕は
「おかしなメスって、どんなメスだい?」
って、聞いたんだけど
「おかあさんに、ちゃあんと情報が入ってるんだよ。」
だってさ。
「だから、おかしなメスって、どんなメスなんだよ。
 額から角が一本生えてて、背中から羽でも生えてたか?
 それとも、長い首が8つ有ったか?」
「そんなんじゃ無いよ、ヤギのメスの話さ。」
「だったら、おかしなメスだって、どうやって判断したんだよ。」
「わたしは見たわけじゃ無いよ、教えてくれたヤギがいるんだよ。」
僕は、いったい、覚えが無いもんだから、
さらに、尋ねてみた。
「じゃあ、誰がそんなことを言ってたんだよ。」
しかし、それは教えてもらえなかった。
どうやら、口止めされているらしい。
教えなさいよ。ね。
誰だか分からないとさ、説明のしようが無いじゃない。
僕は、何処の誰だか分からないヤギの言った事で、
気分の悪い思いをしたのさ。
きっと、そいつも、言っちゃ行けないことを言ったような気がして、
そいつが言ってたことは内緒にしてくれと思ったんだろうな。
でもね、
それは、言っちゃ行けない事じゃ無かったんだよ。
例えば、僕がいる時に、話していれば、何の問題も無かっただろう。
本ヤギが居る時分に話せば特になんでもない話なのに、
居ないところで話して悪口になってしまったと言うことが、
たくさん有るんじゃないだろうかって、考えたね。
僕は、悪口は、言われる方が悪いんじゃなくて、
言う方が常に悪いんだと思うんだよ。
だから、僕は、他山羊の噂はいつも信じないし、気にもしないんだ。
他山羊なんて、悪い噂は言うけれど、良い事は、あんまり言わないもんな。
長くなっちゃったな。
今度、旨い草でも一緒に食べに行こうぜ。

黒ヤギ
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