福本児童舎 新館

ふくちゃんのブログ

伝説の整備士

これは、僕の話じゃない。
われわれの先輩方の伝説の話し。

車検はいつも、時間がない。明日納車しなきゃ、次の仕事がつかえてる。

特種用途の放送宣伝カーが車検で入ってきた。
この手の車は大抵、車検に通らない。
簡単にに言うと車の中に、放送室を設けなければいけない。

このおっさんは、車の中に放送室を造っちゃう、とても器用な人。
パイプを曲げては溶接して、あっという間に放送室の出来上がり。

ところが、この日は特に時間がなかった。
アワクッテ仕事していた。ヾ(`ω´)ノシ
あと一本パイプを曲げて溶接すれば車検に行ける。

おっさん両手でパイプを持って曲げ始めた。
かなり硬い。硬いけど、力にも自身がある。
(`ω´)#「もうちょっとじゃ!よいしょっ・・せーのっ・・よしっ曲がった。」

溶接しようとしたらパイプはひとつも曲がっていない。
あれっ?おかしいな。と思って自分の手を見たら。
親指が逆に曲がってた。
彼は、親指が曲がったまま、車検へと急いだ。